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観劇日時/16.5.14 18:00~19:00
制作/シアターZOO発ダンスプロジェクト

振付/チョン・ヨンドウ 東海林靖志   音楽/MAREWREW
照明/菅原渉吾  音響/景井雅之 
舞台監督/横山勝俊  宣伝美術/若林瑞沙
プロデユーサー/木村典子  制作/松本智彦

劇場名/シアターZOO

出演/チョン・ヨンドウ  東海林靖志  MAREWREW

意味不明だが、新鮮で鋭い感覚

僕にとってコンテンポラリイ・ダンスを意識したのは、演劇の中で演じられた福村まりのダンスだった。もっと遡れば40年前に観た田中泯であり、次に「風蝕異人街」の暗黒舞踏と続き、工藤丈輝の『業曝』が決定的な衝撃だった。
でも最近では形式的に動いている感じが強くて期待が裏切られていたのだが、今日の舞台は全く別の新鮮なショックだった。
ウポポという恐らく初めて聴いたアイヌの民族歌謡、そして男性二人で演じられるダンスは、物語性が全く感じられない神秘的ともいえる何か象徴的な動きなのだ。何をシンボライズしているのかは分からない。おそらく自然界の天然現象、その中で生きる動物や植物の生き様なのだろうか。
ウポポも多分、その風景や現象を単純な単語の繰り返しで写し取っているように聞こえる。そのウポポの響きとマッチしているような二人のダンス、というよりも躯体的にはジットリとしながらエネルギッシュで休みない動きは大自然の営みのようにも見えてくる。
ウポポで歌われている幾つかの単語の繰り返しは、意味不明であり終演後に質問したら、掛け声のようなものだそうだ。だからこのダンスもウポポの意味内容の具体的な表現ではなく、その音楽を聴いてその雰囲気を感じて踊りを構成したのだそうだ。

ともあれ新しいイメージは強い衝撃を与える表現であった。新聞の紹介には「誕生」「成人式」「結婚」「狩猟」など生活や祭祀と死を表現したとあるが、そんなに具体的な感じは必ずしもしない。が、逆にそれでも何か新鮮な鋭い感覚が押し寄せる感じが強かったのだ。